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HY SKY Fes 2026&Special Night レポート 公開!

今年で7回目の開催!

HY主催の音楽野外フェス「HY SKY Fes 2026&Special Night」

 

 DAY1 

今年で開催7回目となる「HY SKY Fes 2026 & Special Night」が2026年3月20日(金)より幕を開けた。

今回はSKY Fes史上初となる、3日間にわたるフル開催。主催・HYの想いに賛同し集結した、彼らを含む全21組の豪華アーティストたちが、この3日間でどんな奇跡を起こすのか。

HYメンバー自らが装飾を施した手作りの会場には、キャンプエリアから漂うBBQの香りと、遊具を駆けまわる子供たちの歓声が心地よく響く。

ジャンルも世代も、そしてステージと客席の垣根さえも越えた表現者たちが交差する、楽園のような祝祭がいまはじまった。

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メインステージの熱狂の傍ら、もうひとつの「SKY Fesの顔」として賑わいを見せるのがグリーンステージだ。

ここは、地域の祭りのような親密さに満ちた遊び場。沖縄で絶大な人気を誇るお笑いコンビ「ありんくりん」が爆笑をさらい、世界を股に掛けるマジシャン「MASA MAGIC」が子供たちの目を輝かせる。

初日の大きなトピックスとなったのが、HYメンバーと地元企業によるパネルディスカッション。これまで前夜祭で行われてきたこの対話が、今年は本祭と同時進行で繰り広げられた。

DAY1のテーマは「エネルギーと環境」。株式会社りゅうせきと共に、沖縄の未来を支えるクリーンなエネルギーや、この美しい島を守るための環境保護について、真剣かつ温かな意見交換が行われた。

最高の音楽に酔いしれながら、ふと足を止めた先で、自分たちが住む島の未来について共に考える。この多層的な広がりこそが、 SKY Fesが単なる音楽イベントに留まらない、唯一無二の「祝祭」である理由だ。

初日は、次世代を担う若手から百戦錬磨のベテランまでが一本のタスキを繋ぐ、エモーショナルな幕開けとなった。

広大な空の下で響く昼の熱狂と、夜の訪れとともに訪れるアコースティックセッション。

この「動と静」の鮮やかな対比こそが、3日間へと進化したSKY Fesが提示する新しい物語のプロローグとなった。

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正午を告げる12時の鐘が鳴り響くと、ついにその時が訪れた。

ステージに現れたのは、このフェスの旗手・HY。新里英之(Vo/Gt)の「会場の皆さん、はいさーい!」という明るい声に導かれ、メンバー4人が一人ひとり丁寧に、そして親愛を込めて言葉を紡いでいく。

それは大型フェスの緊張感あるオープニングというよりは、「これから3日間、一緒に楽しもうね」という優しく、等身大の挨拶。その温かな空気に誘われるように、スタンディングエリアにはひとり、またひとりと観客が増えていく。ステージと客席、そして沖縄の風が溶け合うような距離感のなさは、まさにHYとファンが共に作り上げてきたこのフェスならではの光景だ。

そんなユニークで柔らかな空気の中、新里が手にしたウクレレの音色が響き渡る。

歌い出されたのは、本祭の象徴である「SKY」。冒頭の美しい一節を、気持ちを込めて新里が歌い上げると、名嘉俊(Dr)の躍動するビートと許田信介(Ba)の力強い低音が地響きのように重なり、一気にアンサンブルが加速した。

仲宗根泉(Key/Vo)のパワフルな歌声が重なり、サビの解放感とともに観衆の手が一斉に左右に揺れる。ステージから届く「愛」に応えるように、会場全体が大きな波となって繋がっていく。「SKY Fes、スタートです!」という叫びとともに、4人の歓喜が溢れ出し、過去最大規模の祝祭が最高の鼓動を打ち鳴らした。

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2組目に登場したのは、HYの地元・うるま市の中高生による現代版組踊「肝高の阿麻和利」だ。伝統芸能に現代音楽とダンスを融合させた「沖縄版ミュージカル」として、本編2時間半の熱量を凝縮した特別バージョンを披露した。

大勢の観客を前に、一歩も引かずに繰り広げられる堂々たる演舞には、ただただ驚かされる。メンバーは毎年入れ替わっていくはずなのに、パフォーマンスの精度は年々増し、その佇まいはもはや「子どもたちの出し物」という枠を超え、れっきとした表現者としてのプロ意識に満ちていた。

この日のために時間を注いできたことが伝わる一挙手一投足。躍動する彼らの姿に、県外からの来場者からも惜しみない拍手が送られた。ビッグアーティストと同じ舞台に立ち、自らのルーツを全力で表現したこの経験は、彼らにとって一生の宝物となるに違いない。

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それまで会場を包んでいた穏やかな空気を、一瞬で塗り替えるような鮮烈な衝動が走った。札幌から上陸した3ピースバンド、Chevonだ。

最初は未知の音を静かに見守っていた観客たちが、3曲目、4曲目と進むにつれ、抗いようのない世界観に引きずり込まれていく。ボーカル・谷絹 茉優の、心の叫びをそのまま音にしたような生命力あふれる歌声。それはもはや歌という枠を超え、MCの言葉ひとつひとつまでもが鋭い「音」として鼓膜を震わせる。これほどまでに音を力強く、自在に操れる表現者がいるのかと圧倒される。

中盤、「ギア上げてけよ!」という剥き出しの煽りが放たれると、会場の熱量は一気に臨界点を超えた。指笛と大歓声が渦巻き、吸い寄せられるようにスタンディングエリアへ人が集まっていく。

ラストの「ダンス・デカダンス」まで、一瞬たりとも目が離せない。初めて彼らを目撃した観客たちは、いつの間にか逃げ場のない圧倒的な熱量に飲み込まれたようだった。「とんでもないものを見てしまった」という静かな衝撃が、熱を帯びたまま、いつまでも会場に立ち込めていた。

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会場を一気に「巨大な祭り」へと変貌させたのはC&Kだ。

登場前から舞台袖で「焼きそば食べてる間に見逃していいの?」とマイクで観客をいじり倒し、1分前からは会場全員を巻き込んだカウントダウン。姿を見せる前からワクワク感を最高潮に引き上げる、彼ららしい遊び心全開の幕開けだ。

10カウントと共に飛び出したCLIEVY(Vo)とKEEN(Vo)は、一瞬にして会場をダンスフロアへと変えてしまう。タオルを振り回して踊り狂う一体感から、軽妙なトークで爆笑を誘う長めのMCまで、片時も観客を飽きさせない。観客との会話を楽しみ、ふざけ合っているように見えて、その根底には「クソ真面目に遊べ」という熱いメッセージが貫かれていた。

そんな狂乱の空気が一変したのは、バラードセクションだ。

ふたりの圧倒的な歌声が、湿り気を帯びはじめた沖縄の空にどこまでも伸びていく。さっきまで跳ねていた観客が、まるで魔法をかけられたように立ち尽くし、ただその一音一音を噛みしめる。美しいハーモニーに包まれる時間は、まさに至福のひとときだった。

……が、感動だけで終わらせないのが彼らだ。しっとりさせた直後、なんと衣装を脱ぎ捨てレオタード姿に変身。そこからは最後までその姿で突っ走り、シュールな笑いと圧倒的なパフォーマンスを交互に叩きつけていく。

クライマックスでは、巨大なサークルになって見ず知らずの人同士が肩を組んで回る「踊LOCCA~around the world 新たなる冒険~」の名物が、ここSKY Fesでも実現!スタンディングエリアがひとつとなってぐるぐると駆け回り、会場中が数えきれないほどの笑顔に包まれた。

圧倒的な歌唱力と、泥臭いまでのエンターテインメント。彼らのステージは、まさに「フェスの真骨頂」そのものだった。

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今日一番の黄色い大歓声に包まれて登場したのは、INIのツインボーカル、尾崎匠海と藤牧京介だ。

MCでは「本当にアイドル?」と驚くほど息の合った掛け合いで会場を沸かせる。直前のC&Kの盛り上がりを即座に拾い、「僕たちはT&K(タクミ&キョウスケ)です!」と言い放つセンスの良さには、フェス特有の自由な空気が漂っていた。

一転して届けられたバラードセクションでは、耳を疑うほど純粋で、洗練されたふたつの歌声が響き渡る。尾崎の艶やかで伸びやかな低音と、藤牧の透明感溢れる圧倒的なハイトーン。一言一言を大切に届ける丁寧な歌いぶりに、初めて彼らを見る観客も、ただその「歌の美しさ」に驚き、静かに耳を傾けていた。「What A Night」で見せた、晴れやかで力強いロングトーンが、沖縄の空へと真っ直ぐに突き抜けていく。

後半、さらなるハイライトが訪れる。HY・仲宗根をステージに呼び込むと、そこからは3人による爆笑のMCタイムへ。仲宗根のパワフルなキャラクターとふたりの掛け合いに、会場は大きな笑いに包まれた。

しかし、歌がはじまれば空気は一変。仲宗根が提供した「Unrequited Love」を3人で披露し、美しすぎるハーモニーを響かせる。続いてHY・新里も加わった「あなたを想う風」では、憧れの先輩と肩を並べ、喜びを噛み締めるように歌い上げた。

ラスト2曲は観客との全力のコール&レスポンスを楽しみ、ふたりの純粋な歌声はどこまでも高く舞い上がった。ダンスを封印し、あえて「歌」で勝負したこのステージは、彼らの音楽に対する真摯な姿勢と、SKY Fesが繋いだ「縁」を象徴する特別な時間となった。

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若き才能たちが紡いだ余韻を、さらに大きな愛で包み込むように登場したのは、日本を代表するデュオ、コブクロだ。

1曲目の「君という名の翼」が響いた瞬間、会場は歓喜の嵐に包まれた。黒田俊介(Vo)の深みのある歌声と、小渕健太郎(Gt/Vo)の繊細かつエモーショナルなギターの音色は、聴く者一人ひとりの記憶をやさしく呼び覚ましていく。

ステージと客席が響き合う、圧倒的な温かさ。軽妙なトークで笑いを誘うMC、そしてどんな瞬間も音楽を心から楽しもうとするふたりの真摯な姿。それに応えるように、会場からは鳴り止まない手拍子と歓声が沸き起こり、SKY Fesのボルテージを引き上げていった。

クライマックスの「轍-わだち-」では、ついに会場全体がひとつになり、地を揺らすような力強い大合唱が巻き起こった。音楽を全身で浴び、ともに歌い、笑う。そこにあったのは、アーティストと観客が手を取り合って作り上げる「ライブ」という名の最高の空間だ。

ふたりのハーモニーが沖縄の風に乗って、人々の歌声と溶け合った瞬間。SKY Fesの歴史に、決して色褪せることのない「絆」という確かな記憶が刻まれた、忘れられない一夜となった。

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メインステージの興奮が冷めやらぬなか、観客は静かに「グリーンステージ」へ移動をはじめる。

夜の帳がすっかり下りた空の下で、例年であれば前夜祭として行われてきたアコースティックライブが、今年も特別な時間を刻み出す。先ほどまでの熱狂とは対照的な、穏やかで濃密な空間。

ステージを囲む芝生に座り、夜風を感じながら開演を待つ贅沢。グリーンステージは、アーティストとの距離が圧倒的に近い。手の届きそうな場所に立つ彼らの息遣い、ギターの弦が擦れる繊細な音までもが、静寂のなかでダイレクトに伝わってくる。

照明に照らされたステージが、夜の闇に浮かび上がる。メインステージが「祭りの爆発」なら、ここは「心を通わせる対話」の場所。1日目の締めくくりに相応しい、美しい夜のライブが幕を開けた。

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会場を優しく照らすのは、無数のランタンが放つ温かな灯り。その幻想的な光に包まれて響き渡ったのは、誰もが一度は耳にしたことのある、世代を超えて愛され続ける名曲の数々だ。

イントロが流れるたびに、客席からは小さく、けれど確かな歓喜の吐息が漏れる。アコースティック形式だからこそ際立つ、歌声の透明感とぬくもり。夜の潮風に乗って音と詞がゆっくりと広がっていき、観客は自然と、けれど大切に言葉を紡ぐように静かに歌いはじめた。

会場全体がひとつになって口ずさむその光景は、まさにこの場所がもたらす「安らぎ」を映し出すような、穏やかな感動に満ちていた。派手な演出はなくとも、心と心が歌を通じて溶け合っていく。そんな優しい時間に抱かれながら、SKY Fes初日の夜は深まっていった。

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聖なる夜の静寂を惜しむように、再びステージに現れたのは主催者のHY。

新里の愛に満ちたメッセージとともに、本日最後の舞台が幕を開けた。

幕開けは「LOVE」。会場全体を大きな愛で包み込むようなプロローグから、夜の特別な時間は加速していく。

「三月の陽炎」では、三線の切なくも温かな音色が夜空に溶け込み、仲宗根の慈愛に満ちた歌声が聴く者の心に深く染み渡っていく。

また、アコースティック編成で奏でられた「恋をして」は、普段のステージとはひと味もふた味も違う繊細な響きを放ち、観客は一音たりとも聞き逃すまいとステージに釘付けになった。

そして、初日のフィナーレを飾ったのは、初披露となった沖縄サントリーのCMソング「チャチャチャチャンプルー」だ。

誰もが初めて聴く楽曲であるはずなのに、曲が終わる頃には会場全体が口ずさみ、軽快な手拍子が重なっていく。この驚異的な浸透率と、理屈抜きのハッピーな一体感。それはまさに、HYが沖縄で愛され続けている証そのものだった。

 

心地よい疲れと、胸に響き続ける音楽の余韻。最高の幸福感に満たされたまま、観客はそれぞれの家へ、あるいはキャンプサイトのテントへと戻っていく。祝祭はまだはじまったばかり。

明日、この空の下で再び出会える喜びを確信しながら、沖縄の静かな夜は更けていった。

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文:五十嵐梨花

 

<3月20日(金)「HY SKY Fes 2026 & Special Night」DAY1セットリスト>

■HY

M1 SKY

 

■肝高の阿麻和利

M1 ダイナミック琉球 short ver.

M2 伝令

M3 安波節

M4 伊計離島

M5 棒術

M6 あまわり誕生~歓喜~

M7 肝高の詩

 

■Chevon

M1 さよならになりました

M2 春の亡霊

M3 サクラループ

M4 銃電中

M5 ノックブーツ

M6 Banquet

M7 冥冥

M8 FLASH BACK!!!!!!!!

M9 ダンス・デカダンス

 

■C&K

M1 C&K Ⅸ

M2 to di Bone

M3 I.M.A

M4 みかんハート

M5 嗚呼、麗しき人生

M6 上を行くメイク

M7 入浴

M8 踊LOCCA~around the world 新たなる冒険~

 

■尾崎匠海 & 藤牧京介(INI)

M1 AMAZE ME

M2 HERO

M3 プロポーズ

M4 So You Can Shine

M5 What A Night

M6 Unrequited Love with 仲宗根泉

M7 あなたを想う風 (Original by HY) with 仲宗根泉, 新里英之

M8 True Love

M9 FLY HIGH

 

■コブクロ

M1 君という名の翼

M2 桜

M3 Starry Smile Story

M4 流星

M5 蕾

M6 この地球 (ほし)の続きを

M7 轍-わだち-

 

 ■玉城千春

M1 長い間

M2 命の樹

M3 Best Friend

M4 未来へ

 

 ■HY

M1 LOVE

M2 三月の陽炎

M3 恋をして

M4 チャチャチャチャンプルー

 

 

<DAY1 出演者>

●HY

●肝高の阿麻和利

●Chevon

●C&K

●尾崎匠海 & 藤牧京介(INI)

●コブクロ

●玉城千春(Special Night)

●ありんくりん(GREEN STAGE)

●MASA MAGIC(GREEN STAGE)

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 DAY2 

史上初の3日間フル開催に沸く「HY SKY Fes 2026 & Special Night」は、興奮冷めやらぬまま2日目を迎えた。

初日の感動をバトンとして受け取り、音楽の街・沖縄市の熱量はさらに加速していく。キャンプエリアから漂う香ばしい朝食の匂いと、朝一番の遊具に駆け出す子供たちの歓声。この場所には、2日目だからこそ生まれる、心地よくもエネルギッシュな連帯感が漂っていた。

 

12時の開演とともに、会場はまさにジャンルの境界線が消え去る祝祭へと変貌を遂げる。

アーティストとしての強烈なアイデンティティを見せつけるステージから、世代を超えて会場がひとつになるダンスアンセムまで。

多種多様な表現者たちが沖縄の風と混ざり合い、会場のボルテージを押し上げていく。

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メインステージが午後の熱狂に包まれるなか、グリーンステージではもうひとつの大切な物語が静かに動き出していた。

HYメンバーと地元企業が沖縄の未来を語り合うパネルディスカッションだ。

2日目のテーマは「沖縄コーヒープロジェクト」。

昨年、このプロジェクトをテーマに楽曲を書き下ろすほど、メンバーが深く共感し、向き合ってきた活動だ。

セッションでは、沖縄の豊かな土壌で育まれるコーヒーの可能性や、そこから広がるコミュニティの輪について、専門家を交えた温かな対話が繰り広げられた。

爆音のライブに身を委ねる時間もあれば、すぐ隣にある学びの場で、この島の明日に思いを馳せる瞬間もある。そんな「動」と「静」が地続きに共存するSKY Fesの自由な空気は、参加する一人ひとりの心に、音楽以上の深い余韻を刻んでいった。

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2日目の幕開けを告げたのは、沖縄の潮風よりも瑞々しい、未来を担う若き才能の歌声だった。オープニングアクトを飾ったのは、弱冠10代にして世界基準の感性を放つNeil。

あいにくの曇り空で天気が危ぶまれるなか、ステージから放たれる熱気は凄まじかった。1曲目から、卓越したリズム感と、縦横無尽に響き渡る圧倒的な歌唱力で観客の心を鷲掴みにする。その堂々たる佇まいは、もはや次世代という言葉では片付けられないほどの輝きを放っていた。

続く「いちばん近くに」では、新里(HY)がサプライズで登場。師弟のようでもあり、音楽を愛する仲間同士でもあるふたりの温かなハーモニーが、会場を優しい光で包み込む。そしてラストの「Break Through」では、その名の通り限界を突き破るようなエネルギッシュな歌声を響かせ、割れんばかりの拍手喝采を巻き起こした。

どんよりとした空を吹き飛ばすほどの、熱いステージ。近い将来、伝説として語られるであろう「才能の目撃」に、SKY Fesの未来への希望が重なった。

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新里(HY)の「僕も楽しみ」という期待感に満ちた紹介とともに、正午のステージに現れたのはYURIYAN RETRIEVER。その姿を見つけるやいなや、子どもたちが続々とステージ前へ駆け寄り、会場は大きな歓声に包まれた。

幕開けはHYの名曲「NAO」。キーボードでしっとりイントロを奏でると、自然と手拍子が沸き起こる。しかし、途中で緊張からかピアノの旋律が止まってしまうハプニングが。アカペラになった彼女を会場の手拍子が温かく支え、さらに舞台脇からは仲宗根(HY)がコーラスで加わる。最後はふたりで熱唱し、会場全体がひとつになって「YURIYAN RETRIEVERのNAO」を完走させるという、このフェスでしか有り得ない奇跡のような一体感が生まれた。

続いて、自身の片想いを綴った「難波ナンバーワン」の原曲を、ギターの弾き語りで披露。切ない歌声に聴き入ったのも束の間、曲は一変して「難波ナンバーワン」へ。DJとキレキレのダンサーが加わり、会場は一気に縦乗りのクラブサウンドへと変貌する。最高にクールな音に乗せられた「よく聴くと笑える歌詞」に、観客は爆笑しながら体を揺らした。

さらに、未発表曲「私の事好きな人この世にいるのかな」をオペラ調に歌い上げると、会場は爆笑の渦に。シュールな笑いと、横でキレキレに踊るダンサーたち。その「脳が追いつかない」ほどのギャップに、観客は心を掴まれていく。

ステージの上から一方的に届けるのではなく、来場者とのリアルな掛け合いを楽しみ、その場で生まれる笑いを音に乗せていく。気づけば、ステージ前を埋め尽くした観客全員が彼女のパフォーマンスの「共演者」となっていた。

スタンディングエリアの観客はもちろん、離れた場所で聞いていた人たちも彼女の圧倒的なエネルギーに引き込まれ、ステージ前にはさらに人が膨れ上がっていく。自由で、型破りで、どこまでも温かい。ジャンルという壁をぶち開けるステージは、まさに「沖縄らしく、YURIYAN RETRIEVERらしい」至福のエンターテインメントだった。

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一声発した瞬間に、会場を息を呑むような「表現の聖域」へと塗り替えたのは、唯一無二の歌声を持つアイナ・ジ・エンドだ。

アイドルのような可憐さとロックな魂が同居する独特の佇まい。90年代のポップミュージックを彷彿とさせる洗練された軽やかさを見せたかと思えば、次の瞬間には、周囲が炎で燃えたぎるような激しいロックへと変貌を遂げる。

その鮮烈なコントラストが、もっとも色濃く現れたのが「Love Sick」だった。お洒落なポップネスをなぎ倒すような、剥き出しの感情と空気を切り裂くような鋭い歌声。内側から溢れ出す情念をぶつけるようなパフォーマンスに、観客は彼女の世界から目が離せなくなっていった。

「HYは私の青春です」。そう語り、かつて自分にとってお守りのような存在だったという「366日」を一節、大切に歌い上げる。その切なくも温かな余韻を抱いたまま、「アイコトバ」へ。さっきまでの激しいロックが嘘のような、包容力のある柔らかな歌声が、会場をゆったりと包み込んでいった。

ステージ全体を駆け回り、自由奔放で全身全霊のパフォーマンス。それはもはやフェスの一幕というより、彼女自身の単独公演と錯覚してしまうほどの圧巻のステージだった。

ふと終わり際に会場を見渡せば、ステージが辛うじて見えるほど遠くにいる来場者までもが、一様に惜しみない拍手を送っていた。会場全体を飲み込む圧倒的な力強さ。彼女がSKY Fesの歴史に刻んだ爪痕は、あまりにも深く、そして美しかった。

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空高く突き抜ける清涼な和音が、優しく、そして力強く解き放たれていく。圧倒的な歌唱力と緻密なコーラスワークを誇るLittle Glee Monsterの登場だ。

幕開けは、楽器を一切使わないアカペラ。6人の声だけが重なり、混じり合い、沖縄の空へと放たれていく。一瞬で耳を奪うその純度の高い響きに誘われるように、スタンディングエリアには一人、また一人と観客が押し寄せていく。「ECHO」では、卓越した技術を持つ6人が全身全霊で声をぶつけ合う迫力に圧倒。会場のあちこちから感嘆の声が上がった。

しかし、彼女たちの真価は歌唱力だけに留まらない。「WONDER LOVER」では一転、ダンスパフォーマンスグループさながらのキレのある動きを見せ、視覚的にも観客を魅了した。

中盤には、HYの名バラード「Song for…」をカバー。ひと言ひと言に心を込めた丁寧な歌唱は、オリジナルへの深いリスペクトに溢れ、聴く者の心の奥底へと染み渡っていく。名曲「世界はあなたに笑いかけている」では、会場全体がひとつになって「歌い、踊る」喜びに満たされた。

聴く者の心にダイレクトに届く彼女たちの歌声は、世代を超えて観客全員の心を潤していく。それが証明された40分となった。


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アタックV(紹介映像)で90年代の音楽シーンを一世風靡した彼らの軌跡が流れるやいなや、キャンプエリアや後方で寛いでいた大人たちが、弾かれたようにスタンディングエリアへと詰めかけていく。あっという間に埋め尽くされたフロアに現れたのは、日本のダンスミュージック界のレジェンド、TRFだ。

そこはもうフェス会場ではなく巨大な屋外クラブと化した。「masquerade」から「Overnight Sensation〜時代はあなたに委ねてる〜」へと続くヒットメドレーに、会場のボルテージは一気に最高潮へ。YU-KI(Vo)の突き抜ける歌声は驚くほどパワフルで、DJ KOOのキレのあるラップと熱い煽りが響くたび、オーディエンスはそれに応えるように激しく拳を突き上げる。

中盤、「LEGEND OF WIND」や「BOY MEETS GIRL」を経て、誰もが待ち望んだ「CRAZY GONNA CRAZY」から「EZ DO DANCE」へのメドレーが繰り出される。平成初期を生きた人なら誰もが知っているであろう、名曲のオンパレード。圧倒的な認知度とノリの良さを前に、会場の隅々までタオルが激しく宙を舞った。

クライマックスは、「survival dAnce 〜no no cry more〜」。鳴り止まない拍手と歓声、そしてあちらこちらで大人たちが自由に踊り明かす光景は、まさに圧倒的な空気に包まれていた。あまりにも濃密で、あまりにも短く感じられた40分間。

会場を熱狂の渦に叩き込んだその姿は、まさにレジェンドの名に相応しい圧巻のパフォーマンスだった。


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1曲目の「BEAT」が鳴り響き、ひときわ鮮やかな色彩をまとったポップアイコンがステージに現れた。常に時代の先端を走り続ける木村カエラだ。

ポツポツと小雨が降りはじめた会場。しかし、彼女が身にまとう衣装の鮮やかさと、放たれるハッピーなオーラで、会場の景色を瞬く間に明るく塗り替えていく。パンキッシュに観客を盛り上げ、一気に熱量を引き上げていった。

MCでは、「SKY Fesにずっと出たかった。やっと叶った」と、少女のような笑顔で語る。HYの名曲「366日」を初めて聴いた時、感動で涙が止まらなかったというエピソードなど、HYとの深い縁についても触れた。

圧巻だったのは、その透き通るような歌唱力だ。「リルラ リルハ」では変わらぬ瑞々しい感性を見せつけ、名曲「Butterfly」では、祈るような優しい歌声が会場を包み込む。さらに「HOLIDAYS」でのコール&レスポンスを経て、ラストの「Magic Music」へ。「飛べー!」という彼女の煽りに合わせ、会場中がジャンプして踊り楽しむ。

舞台を縦横無尽に駆け回り、全身で「音」を遊ぶ。その姿は、自分の「好き」を貫く素晴らしさを体現しているようだった。自由奔放でチャーミング、それでいて芯の強いパフォーマンス。沖縄の空の下で弾けるような輝きを放ち、最高に楽しい時間をプレゼントしてくれた。

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2日目のトリを飾るべく、沖縄が生んだ最強のエンターテイナーたちがステージへと降り立つ。DA PUMPの登場だ。小雨をものともせず、スタンディングエリアは彼らを待ちわびた観客で埋め尽くされた。

「Feelin' Good -It's PARADISE-」からスタート。サビの「フォー!」という掛け声で見せた観客との阿吽の呼吸は、まさにホームグラウンドならではの連帯感だ。

中盤、「if...」のイントロが流れると、会場全体の空気が一段と跳ね上がり、割れんばかりの喝采に包まれた。激しく踊りながらも一切ブレないISSAの歌唱力は唯一無二。さらにこの日は特別な瞬間が待っていた。「沖縄でやると地からのパワーを感じられる」と語り、急遽アカペラで披露したのはISLANDの名曲「STAY WITH ME」。その圧倒的な美声には、ともにステージに立つメンバーですら拍手喝采を送るほどだった。

「Dream on the street」で世界レベルのダンスを見せつけ、ボルテージは最高潮のままラストの「U.S.A.」へ。イントロが鳴り響いた瞬間、キャンプエリアの子供たちも一斉に体を揺らし始める。そんな多幸感あふれる光景のなか、ステージには舞台袖にいたHYのメンバーが呼び込まれた。仲宗根のキレキレなダンス(しかもセクシー!)も加わり、会場の歓声ははち切れんばかりに。視界を埋め尽くすほどの一体感のなか、今日一番の「いいねダンス」で会場中が笑顔に包まれた。

一度は幕を閉じたものの、鳴り止まないアンコールに応え、再びHYと共に「U.S.A.」を全力でパフォーマンス。世代もジャンルも超えて、会場全体がひとつになった最高の一体感。

沖縄の夜に特大の熱狂を刻みつけ、SKY Fesはいよいよ最終日へと突入する。

 

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文:五十嵐梨花

 

<3月21日(土)「HY SKY Fes 2026 & Special Night」DAY2セットリスト>

■Neil

M1 恋バグ

M2 いちばん近くに feat.新里英之 (HY)

M3 Break Through

 

■​​YURIYAN RETRIEVER

M1 NAO(HYカバー)

M2 難波オリジナル

M3 難波ナンバーワン

M4 私の事好きな人この世にいるのかな

M5 コメディ

M6 VENUS

M7 マッチングPhonk

M8 YURIYAN TIME

 

■​​アイナ・ジ・エンド

M1 Poppin' Run

M2 Frail

M3 ZOKINGDOG

M4 革命道中

M5 Love Sick

M6 アイコトバ

M7 Entropy

M8 サボテンガール

 

■Little Glee Monster

M1 アカペラメドレー 2026 春

M2 好きだ。

M3 ECHO

M4 WONDER LOVER

M5 Song for…(HYカバー)

M6 SAY!!!

M7 世界はあなたに笑いかけている

M8 For Decades

 

 ■​​TRF

M1 masquerade

M2 Overnight Sensation〜時代はあなたに委ねてる〜

M3 LEGEND OF WIND

M4 BOY MEETS GIRL

M5 CRAZY GONNA CRAZY〜EZ DO DANCEメドレー

M6 Where to begin

M7 survival dAnce 〜no no cry more〜

 

 ■​​木村カエラ

M1 BEAT

M2 TODAY IS A NEW DAY

M3 リルラ リルハ

M4 君の傘

M5 Butterfly

M6 HOLIDAYS

M7 Magic Music

 

 ■DA PUMP

M1 Feelin' Good -It's PARADISE-

M2 P.A.R.T.Y.〜ユニバース・フェスティバル〜

M3 ごきげんだぜっ!Nothing But Something

M4  if...

M5 Dream on the street

M6 We can't stop music

M7 U.S.A.

 

 

<DAY2出演者>

●Neil(Opening Act)

●YURIYAN RETRIEVER

●アイナ・ジ・エンド

●Little Glee Monster

●TRF

●木村カエラ

●DA PUMP

●ありんくりん(GREEN STAGE)

●MASA MAGIC(GREEN STAGE)

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 DAY3 

史上初の3日間フル開催となった「HY SKY Fes 2026 & Special Night」もついに最終日を迎えた。

見事な晴天が広がり、降り注ぐ太陽の光が最終日のはじまりを祝福しているようだった。

 

メインステージに現れた新里英之(HY)が「SKY Fes最終日、スタートです!」と力強く宣言。最高のコンディションのなか、ついに最後の一日が幕を開けた。

3日間を駆け抜けた会場には、初日の期待感や2日目の熱狂とはまた違う、どこか温かくも名残惜しい、家族のような一体感が満ちている。キャンプエリアで片付けをはじめる家族の姿、最後の一曲まで遊び尽くそうと公園を駆ける子供たち。この3日間で積み上げられた笑顔が、沖縄市の空をより一層高く、青く見せているようだった。


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メインステージで個性豊かな実力派たちが圧巻のパフォーマンスを繋いでいくなか、午後のグリーンステージでは、この祝祭を締めくくるにふさわしい対話が交わされていた。

最終日のテーマは「沖縄の海と水産資源の保護」。四方を海に囲まれたこの島で、変わりゆく海洋環境とどう向き合い、次世代に豊かな海を繋いでいくか。HYメンバーと専門家たちが、ステージでの華やかな姿とはまた違う、真剣な眼差しで島の未来を語り合った。

3日間を通して行われたこのパネルディスカッションは、単なる知識の共有ではなく、音楽を通じて集まった私たちが「自分たちの足元」を見つめ直す、SKY Fesからのメッセージそのものだった。

やがて陽が傾き、会場が黄金色に染まる頃、これまで繋がれてきたすべてのバトンが、ついに大トリのHYへと託される。7回目という節目、そして初の3日間開催を締めくくるグランドフィナーレ。

空の下、最後の一音まで愛が溢れる、約束の時間がはじまろうとしていた。

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最終日のトップバッターとして、「こんにちは〜よろしくね〜」と驚くほどゆるい挨拶とともに現れたのは岡崎体育だ。しかし、ひとたびラップナンバー「Snack」がはじまれば、そのノリの良いサウンドで観客の心を鮮やかに掴み取っていく。

最初は遠巻きに様子を見ていた来場者たち。だが、重低音が響くぶち上げナンバー「Open」が放たれると、磁石に吸い寄せられるようにスタンディングエリアへと集まりはじめた。

バラードを歌いはじめるとステージの空気は一変。透き通るような歌声で会場全体が聴き惚れたのも束の間、絶妙なタイミングでセルフツッコミが炸裂。静まり返った会場は、一転して大爆笑の渦に包まれた。この鮮やかな笑いと感動の振り幅に、観客はすっかり彼の手のひらの上に転がされていた。

曲の合間に発せられる「最高に気持ちいい天気ですね。ありがとう」という言葉の数々が、会場をあたたかな空気で満たしていく。さらに、HYの名曲「AM11:00」にまつわるエピソードを披露。20年の時を経て憧れのHYの前で歌っている「今」を、心から楽しんでいるのが伝わってきた。

ラストは「Q-DUB」。誰もが知る童謡のメロディが流れたかと思えば、突如として凶悪なまでの重低音が炸裂する。そのあまりのギャップに会場は大盛り上がり。彼の「踊れ〜!」という煽りに導かれるように、スタンディングエリアは巨大なダンスフロアと化した。

「SKY Fesめっちゃ気持ちいい!」と叫び、最後まで「ありがとう」を届け続けた40分間。初めて彼を観た人たちからも「最高だったね」という声が漏れるほど、最終日の幕開けに相応しい、最高にハッピーな一体感を刻みつけてくれた。


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続いて登場したのは、令和のアイドルシーンを席巻するFRUITS ZIPPERだ。彼女たちの出番が近づくと、スタンディングエリアには吸い寄せられるように人が押し寄せ、前方エリアは瞬く間に超満員の熱気に包まれた。

ステージのバックに掲げられた「SKY Fes」の大きなロゴ。その前に、カラフルでポップな衣装をまとった7人が現れると、会場は一瞬にして鮮やかな多幸感に包み込まれる。

SNSで大ブームを巻き起こした「わたしの一番かわいいところ」のイントロが鳴り響く。そのキャッチーな旋律に、初めて彼女たちを見る観客も思わず足を止めてステージへと引き込まれていった。

「ぶちかませよ!」では一転、後方でタオルを振り回す大人や、遊具の上からリズムを取る子どもたちの姿が会場を埋め尽くす。これぞ、彼女たちが持つ驚異の「巻き込み力」だ。

沖縄の強い太陽の下、汗を流しながら「一番かわいい」を更新し続ける彼女たちの姿を前に、「アイドル」という定義が変わったことを実感した。「可愛い」だけではない。安定した歌唱力と、巧みな煽りで会場をひとつにするパフォーマンスは圧巻の一言。ノリの良いサウンドに誘われ、知らない曲でもついジャンプして楽しみたくなるような高揚感が会場を支配している。青空と彼女たちのカラフルな世界観が見事にマッチした、最高にハッピーでパワフルなステージとなった。

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続いてステージに姿を現したのは、レジェンド・石井竜也だ。現れた瞬間に空気を変えてしまう圧倒的な貫禄と艶やかな歌唱力。一発で会場を支配するその存在感は、まさに圧巻の一言だった。

「君がいるだけで」のタイトルが告げられると、客席からは大きな拍手と感嘆の声が上がる。リリースから35年近く経つ名曲を、この日はボサノバ調のアレンジで披露。石井から放たれる美しい音に、静かに耳を傾ける。その贅沢な時間に、多くの大人が酔いしれただろう。

たとえ初めて聴くメロディであっても、卓越した表現力に一瞬で惹き込まれていく。一音一音に魂が宿るようなプロの歌声は、理屈抜きで聴き手の心に深く浸透していった。

会場に心地よい風が吹き抜けると、ステージ上の彼の衣装が風をはらんでなびく。その姿さえ、まるで計算し尽くされた演出の一部であるかのように美しく目に映った。

最後は誰もが知る名曲「浪漫飛行」。会場のあちこちで自然と口ずさむ声が広がり、観客は心地よいリズムに身を任せて静かに揺れていた。派手な演出は一切ない。しかし、とんでもない存在感と至高の歌声だけで、沖縄の空の下を極上の劇場へと変えてしまった。酸いも甘いも噛み分けた大人だからこそ醸し出せる、贅沢なひとときだった。

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2025年の再始動を経て、より深みを増した最強のグルーヴが沖縄の地に解き放たれる。Suchmosの登場だ。メンバーがリラックスした様子でステージに現れると、スタンディングエリアは瞬く間に超満員の熱気に包まれた。

彼らが奏でる音は、とにかくおしゃれで濃密だ。YONCE(Vo)の歌声は、厚みがありながらも甘く、驚くほど透き通っている。まるで声そのものがひとつの楽器であるかのように、自在に音を操り遊ぶ姿にどこか心地よさを感じる。さらに都会的なビートが、唯一無二の化学反応を引き起こしていく。

代表曲はもちろん、この日は新曲も1曲披露。ロック、ジャズ、ヒップホップを自在にクロスオーバーさせた音は、聴き手の全身に心地よく染み渡っていく。ゆったりと体を揺らしながら音に没入する贅沢な時間が、会場の雰囲気をグッと大人っぽく、洗練されたものへと変えていった。

あまりの心地よさに、足の疲れも、時間の経過さえも忘れてしまう。最後の音が消えた瞬間、「え、もう終わり?」と名残惜しそうに顔を見合わせる姿も。もっとずっと、この音の中にいたい。そう思わせるほど、彼らの音楽は圧倒的な中毒性を持っていた。

純粋に音を楽しむ。最高にクールでチルなステージだった。

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少しずつ太陽が傾きはじめ、肌寒さを感じはじめた時間。ステージに現れたのは、日本を代表するポップアイコン、きゃりーぱみゅぱみゅだ。

会場のあちらこちらでファンの熱い声が響き、姿を現すとその鮮やかな存在感で会場が一気に明るくなった。1曲目、「ファッションモンスター!」と叫ぶ彼女の声に応えるように、大きな歓声が上がる。

そこからは、有名曲の怒涛のヒットパレード。前方エリアだけでなく、後方エリアでも思い思いに踊る人たちの姿が目立つ。往年のファンも、初めて彼女のステージを観る人も関係ない。子供から大人まで、まるで魔法にかけられたかのように、楽しさが次々と連鎖していく。

「PONPONPON」では子どもも大人も夢中でジャンプし、続く「つけまつける」で会場のボルテージは最高潮に。沖縄の青い空と海を背景に、きゃりーのカラフルな世界が混ざり合う光景は、見たこともないほど鮮やかで楽しいお祭り空間だった。

「現実逃避」をみんなで踊り、最後の一曲まで一気に駆け抜ける。自由でカラフルなエネルギーが、最終日のフィナーレへと向かう会場を鮮やかに染め上げていった。

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3日間に及んだ夢の跡。すべてのアーティストと観客の想いを背負い、ついに愛すべき地元のヒーローが、約束のフィナーレを書き記す。

ステージ前から後方までを埋め尽くしたのは、この3日間で最大級の観衆だ。三線の音色と「イーヤーサーサー!」の掛け声、そして地響きのような拍手に包まれてメンバーが登場する。「26周年を迎えました。ラストまで楽しんでいくよ!」という新里英之(Vo/Gt)の晴れやかな叫びとともに、1曲目「トゥータン」から最後の祭りがはじまった。

SKY Fesの真骨頂は、会場を包む圧倒的な一体感にある。どの楽曲でも合いの手や手拍子のタイミングが完璧だ。子供から大人までが自然と揃うその光景には、沖縄の人たちのHYへの深い愛を感じずにはいられない。

日が完全に落ち、夜空が会場を包み込むと、伝統の祭り太鼓が呼び込まれた。「帰る場所」で響き渡る三線の音色と力強い太鼓の音。沖縄らしい旋律に耳を傾けていると、この3日間で何度耳にしたか分からない「ありがとう」の言葉が胸に迫る。出演したすべてのアーティストがHYへ、そしてHYが仲間と観客へ。会場中が、温かな感謝の気持ちで満たされていった。

アンコールを求める無数のスマホライトが夜空を揺らすなか、再びステージに現れた彼らが最後に届けたのは「366日(Official Duet ver.)」だった。歌い出しから客席に託すと、見事なまでの大合唱が夜の静寂を震わせる。そのとんでもない一体感と、一人ひとりの歌声を受け止めるメンバーの眼差し。

楽しかった時間の終わりを惜しむような、切なくも温かい歌声が、沖縄の深い夜空へと真っ直ぐに溶け込んでいく。最後の一音が消えるその瞬間まで、そこにはただただ、純粋な愛が溢れていた。

全アーティストが繋いだバトンの最終ランナーとしてステージに立ったHY。彼らが放ったのは、たくさんの「感謝」だった。

SKY FesはHYメンバーが地元沖縄で、「地球と子どもたちと未来のために」できることはないかと考え、生み出された場所だ。「子どもたちの大きな夢やチャンス、家族みんなでつながっていく大切な時間になれば」という彼らの願いは、この3日間、会場の至る所で弾けた笑顔によって最高の形で証明された。

出演アーティストとHYメンバーの仲の良さが垣間見え、アーティストとしてだけでなく人間的な魅力が存分に伝わってくるのも、このフェスならでは。参加するたびに新しい音楽に出会い、好きなアーティストが増えていく。知らないアーティストをさぐりに、ふらりと遊びに来るだけで心が満たされる。そんな多幸感に満ちた3日間だった。

最後の曲が終わり、夜空に響いた拍手は、今日という日の終わりを惜しむものではなく、明日からまた日常を歩んでいくためのエールのように聞こえた。

3日間、この空の下で分かち合った奇跡は、来年へと続いていく。主催者と観客が交わした約束を胸に、「HY SKY Fes 2026 & Special Night」は幕を閉じた。

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文:五十嵐梨花

 

<3月22日(日)「HY SKY Fes 2026 & Special Night」DAY3セットリスト>

■岡崎体育

M1 Snack

M2 Open

M3 Voice of Heart2

M4 FRIENDS

M5 サブマリン

M6 Q-DUB

 

■FRUITS ZIPPER

M1 はちゃめちゃわちゃライフ!

M2 ピポパポ

M3 わたしの一番かわいいところ

M4 NEW KAWAII

M5 かがみ

M6 ふるっぱーりー!

M7 ぶちかませよ!

M8 完璧主義で☆

 

■石井竜也

M1 AWAY WE GO

M2 波打ち際の足跡

M3 君がいるだけで

M4 紺碧の街

M5 DOLPHIN'S WORLD

M6 浪漫飛行

 

■Suchmos

M1 MINT

M2 TOBACCO

M3 Whole of Flower

M4 John (New)

M5 Pacific

M6 STAY TUNE

M7 YMM

 

 ■きゃりーぱみゅぱみゅ

M1 ファッションモンスター

M2 キミに100パーセント

M3 にんじゃりばんばん

M4 現実逃避

M5 インベーダーインベーダー

M6 CANDY CANDY

M7 PONPONPON

M8 つけまつける

M9 原宿いやほい

 

 ■HY

M1 トゥータン

M2 きのこいぬ

M3 SwingSwing Heart

M4 モノクロ

M5 帰る場所

M6 チャチャチャチャンプルー

M7 AM11:00

M8 ホワイトビーチ

EN 366日(Official Duet ver.)

 

<DAY3出演者>

●岡崎体育

●FRUITS ZIPPER

●石井竜也

●Suchmos

●きゃりーぱみゅぱみゅ

●HY

●ありんくりん(GREEN STAGE)

●MASA MAGIC(GREEN STAGE)